ええ塩梅

ええ塩梅

2024/11/11

京都の老舗だし屋、うね乃の社長が語る、ちょっとためになるおだしのいい話

 

『ええ塩梅』

幼少の頃、祖母とお風呂で湯船につかっていると「どーえーええあんばいか?」

といつも聞かれました。

お湯の温度が快適化という意味なのですが、自ずと「もうちょっと熱くとか、ち

ょっとぬるいなぁ」とか答え、ちょっとという曖昧で便利な言葉でお互いのちょ

うど良いところを見つけていたのを思い出します。この頃ではお料理の味加減や

温度、分量などレシピがある場合でも、それをもっと自分好みに近づけるときに

良い塩梅に仕上げて下さい等使われています。そもそも塩梅の語源は雅楽演奏に

使われる篳篥(ひちりき)の奏法から来ていて、息の強弱で音の高低を調節する

奏法とも言われています。

このことはおだしの世界にも通じることで、濃度を変えたり、抽出時間を変えた

りしてその日の調度よいおだしに仕上げる瞬間は、自分好みにおだしをそだてて

いる感じがします。

例えば、だしパックじんの説明には500ccに1パックと示されていますが、300cc

に1パックにするとか、5分煮出すを10分弱火でとかするとまた違ったおだしに

出会えます。篳篥(ひちりき)が雅楽の主旋律を奏でるように、おだしはお料理

をスムーズに進める役割なんでしょうね。

 

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